『SIXTEEN(シックスティーン)』は、2015年に韓国の音楽専門チャンネルMnetで放送された、JYPエンターテインメントによる女性アイドルオーディション番組です。TWICE誕生の母体となったこの番組は、K-POPサバイバルの原点的存在として、現在も語り継がれています。

番組では、練習生16人が“メジャー”と“マイナー”という2つのグループに分かれ、さまざまなミッションを通じてTWICEのメンバー入りを競い合いました。視聴者投票とJYP代表パク・ジニョンの評価が交錯する中で生まれたドラマ・涙・成長の物語は、現在のK-POPにおけるサバイバル番組の礎を築いたとも言えます。

1-1. 番組概要と放送時期

  • 放送期間:2015年5月5日~7月7日(全10話)
  • 放送局:Mnet
  • 制作会社:JYPエンターテインメント × CJ ENM
  • 目的:JYP初のガールズグループオーディション番組として、グループ“TWICE”のメンバーを選抜

1-2. 6MIXからTWICE誕生へ:番組誕生の背景

  • 当初デビュー予定だったプレグループ「6MIX」がデビュー直前で白紙となり、再構築のために『SIXTEEN』が立ち上げられた
  • 新たなグループ像として、「才能+個性+スター性+成長」を兼ね備えたアイドルの誕生が期待された

1-3. メジャー&マイナー制度と独自ルール

  • 参加者は常に「メジャー(上位)」と「マイナー(下位)」に分かれ、入れ替え制で進行
  • 毎回のパフォーマンスで順位が変動し、最終的に勝ち残ったメンバーがデビュー
  • “実力だけでなく魅力と進化”が問われる仕組みとなっていた

2-1. 多国籍・多彩なバックグラウンドの精鋭たち

  • 韓国、日本、台湾出身の練習生が集結し、当時からグローバル志向のJYPを体現
  • 参加者には、現在TWICEのメンバーであるナヨン、モモ、サナ、ジヒョ、ダヒョン、ミナ、チェヨン、ツウィらが含まれた
名前出身国特徴・キーワード
ナヨン韓国安定した実力と明るいキャラクター
サナ日本魅力的な表情と天然キャラ
モモ日本圧倒的なダンススキル
ミナ日本バレエ出身の優雅な所作
ダヒョン韓国インパクト大の自己PR「鷲ダンス」
ジヒョ韓国10年練習生の努力の象徴
チェヨン韓国ラップとアートセンス
ツウィ台湾圧倒的ビジュアルと人気

2-2. 番組を彩った名場面・エピソード

  • モモが一度脱落後、パク・ジニョンによって復活しデビューメンバー入り
  • ナヨンが常にリーダーシップを発揮してメジャーに君臨
  • ダヒョンの奇抜な自己PRと個性がSNSで話題に
  • サナの表情管理力と日本語の可愛らしい発音がファンを魅了

3-1. 歌・ダンス・自己PRなど多角的な評価基準

  • ミッションでは歌・ダンスだけでなく、個性・スター性・協調性・努力など、総合力が問われた
  • 審査項目は毎回変化し、“何を見られているかわからない”という緊張感が常に漂っていた

3-2. ミッションごとの入れ替えと脱落のドラマ

  • 毎話の結果で、メジャーとマイナーが入れ替わる制度により、常に不安と挑戦が交錯
  • 視聴者の人気だけではなく、成長や態度、舞台裏での努力も重要視された

3-3. パク・ジニョンら審査員陣による指導と評価

  • パク・ジニョン(J.Y. Park)を中心に、JYPトレーナー陣が審査を担当
  • 時には厳しく、時には涙ながらのフィードバックを行い、練習生の内面にまで踏み込んだ指導が印象的

JYPエンターテインメントのガールズグループ選抜プロジェクト『SIXTEEN』を通して誕生したのが、今や世界的なK-POPガールズグループとして知られるTWICE(トゥワイス)です。ここでは、最終メンバー決定の裏側やデビュー秘話、そして世界的な活躍までを振り返ります。


4-1. 最終デビューメンバー9人決定までの道のり

  • 当初予定されていたのは7人グループ
    • パク・ジニョンは「明確な個性を持った7人のグループ」を目指していた。
  • 最終話で7人が決定
    • ジヒョ、ナヨン、ジョンヨン、サナ、ミナ、ダヒョン、チェヨンの7人が選抜。
    • しかしその後、“追加合格”という番組最大のサプライズが待っていました。

4-2. 追加合格のツウィ・モモ誕生秘話

  • ツウィの追加合格理由
    • 視聴者投票で圧倒的な人気を集めていたが、選抜漏れ。しかし“ファンの声”に応える形でパク・ジニョンが復活合格を決断。
  • モモの追加合格理由
    • ダンス・表現力・舞台掌握力が際立っており、J.Y. Parkは「グループの完成度のために必要」と判断。
  • 最終的に9人組のTWICEが誕生
    • 実力・ビジュアル・国際性のすべてを兼ね備えたグループがここに完成。

4-3. デビュー後のTWICEの活躍と世界的成功

  • デビュー曲『Like OOH-AHH』(2015年)で鮮烈なデビュー
    • MV再生回数は1億回を突破し、当時の新人では異例の記録。
  • 代表曲と成長の軌跡
    • 「CHEER UP」「TT」「What is Love?」「Feel Special」など多数のヒット曲を連発。
    • メンバー全員が“センター級”の存在感を持ち、K-POP界でも唯一無二の存在へ。
  • ワールドツアー・海外進出
    • 日本・北米・アジア・ヨーロッパなどでツアーを開催し、グローバルなファンダムを拡大。
    • アメリカではBillboard 200でTOP3入り、2023年にはロサンゼルスのSoFiスタジアムで単独公演を成功させた。

5-1. オーディション番組としての革新性と話題性

  • 「メジャー」と「マイナー」の入れ替え制度による新しい競争構造。
  • 単なる勝ち負けではなく、「魅力の進化」や「変化の過程」が可視化された。

5-2. 視聴者参加型プロジェクトの盛り上がり

  • ファンが番組に直接影響を与える形での参加。
  • 最終話での“追加合格”はファンとの双方向的関係の象徴に。

5-3. 後続のガールズグループ・オーディション番組への影響

「ファンがアイドルを作る」時代の先駆けとして、オーディション文化に変革をもたらした。

『PRODUCE 101』『Girls Planet 999』『I-LAND 2』など、その後の多くの番組がSIXTEENの構成や演出手法を踏襲

6-1. 練習生たちの成長ストーリーとリアルな人間ドラマ

  • 常に順位が入れ替わる環境で、練習生たちは精神的にも大きく成長。
  • 嬉し涙・悔し涙・友情・裏切りなど、ドキュメンタリーとしての人間味が満載。

6-2. 視聴者が感情移入できる番組構成

  • 編集やナレーションに頼らず、実際のやり取りやリアクションを重視した構成。
  • 視聴者が“応援したい”と思える関係性を構築し、長期的なファンの獲得にも成功。

『SIXTEEN』は、K-POP史におけるサバイバルオーディションの先駆者であり、TWICEという国民的アイドルグループを生んだ奇跡のプロジェクトです。

今もなおTWICEは、グローバルな舞台で進化を続けており、その原点である『SIXTEEN』は以下の点で語り継がれています:

  • 革新的な番組構成とリアルな競争システム
  • 成長を見届ける“感情移入型エンターテインメント”
  • グローバルに通用するスターを生んだ人材発掘力
  • ファンと練習生の“共創”によるプロジェクト完成

TWICEの未来は今後も明るく、『SIXTEEN』の影響力とレガシーはこれからのK-POPにとっても揺るぎない存在であり続けるでしょう。